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高齢者が陥る「フレイル」とは?
理解を深め予防しよう!

介護の現場で耳にする、フレイルとは?

介護の現場で耳にする、フレイルとは? / フレイルの原因(高齢者に多い例) / 高齢者のフレイル診断基準 / 高齢者をフレイルから救う予防策 / まとめ
高齢者のフレイルとは、高齢者の加齢により筋力や運動するための能力が低下し、また、こういった運動機能の低下が原因で社会から孤立、悪循環の上その後生活機能全般が失われる状態です。
主に健常者と要介護状態の方との間の状態をさします。
筋力・筋肉量の減退、身体機能(運動するための力)の低下を指すサルコペニアという身体状態も、フレイルの関与が高いとされています。
高齢者は事故や病気などの発症により要介護状態になっていく、と考えられていましたが、実は多くはこのフレイル状態が原因となり介護状態へと変化していくといわれています。
フレイルは周りの人のサポート、介入により改善や予防が期待できます。
また、一度介護状態に陥ると脱するのが難しいといわれているので、いち早く高齢者のフレイル状態に気づき、適切な対応をしていきましょう。

※介護状態とは・・・日常生活を送るにあたって、身体もしくは精神に何かしらの障害があり、食事やお風呂、トイレなどが一人で行えず、第三者による介護が必要な状態を指します。
この介護状態には厚生労働省で定める区分が存在します。

※サルコペニアとは・・・加齢と共に筋肉量が減り、それに比例して握力など全身の筋力が低下する状態を指します。
また、それに伴い歩くことが困難となり、杖や車いすなどで移動するような状態(身体機能の低下)も指します。

フレイルの原因(高齢者に多い例)

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高齢者のフレイルにはこれといった大きな原因というのはなく、下記のような複数の要因が重なりフレイルに陥るといわれています。

■加齢による身体能力、筋肉の低下
■運動する頻度が減る
■認知能力、判断能力の低下
■必要な栄養が足りていない(栄養失調状態)
■人との交流が減る(社会からの孤立)
■一人でいる時間が多い(自宅での引きこもり、社会参加の拒否)
■日常的に管理が必要となる病気の発症

まず運動するための身体能力や筋肉量が加齢により低下、それに比例して運動することが減っていきます。
運動量が減ることにより筋肉量も減っていき、そして動く機会が減ると物事を考えるということも減っていき、認知能力や判断能力の低下につながります。
また、運動をしないことによって食欲もわかなくなり、栄養が足りない状態となります。
そして栄養が体にいきわたっていないと何をするにも億劫になります。 さらには運動はおろか人との交流もなくなって、社会参加の頻度が減っていき、最終的に社会から孤立します。
そして何かの拍子に病気を発症し、フレイル状態から介護が必要な状態(介護状態)となっていく・・・こういった流れが高齢者には予想されています。

高齢者のフレイル診断基準

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フレイルの診断基準は、身体的面(体重減少、疲労感、筋力・握力、歩行速度、栄養状態など)、精神心理的面(認知機能など)、社会的面(社会参加の有無など)の項目を複合的に評価し、身体面だけでなく、認知機能やうつなどの精神・心理的面も勘案し、生活機能全般の低下を包括的に診断されます。
高齢者の加齢に伴う様々な機能変化や生理的な機能の低下によって健康障害を招きやすい状態と理解、診断されることによって、適切な介入へ繋げていく判断材料となることが期待されます。
フレイルの診断基準 身体的面、精神心理的面、社会的面のイメージ

高齢者をフレイルから救う予防策

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フレイルの予防策は上記した高齢者に多く見られる原因をなくしていくことにあります。
運動機能や認知機能の低下を防ぎ、そして社会との関わりを積極的に行うことが一番の予防策といえるでしょう。
これらを踏まえて考えると、下記のような療法が有効といえます。

■運動療法

運動療法とは、身体を動かす事で症状の軽減や運動に必要な筋力、身体機能の回復を目指す療法のことを言います。
間接を動かす運動(関節可動域訓練)、歩行訓練などの運動で、身体機能の改善だけでなく、筋肉量の増加およびQOL (生活の質)の向上を目指すものとして、積極的に取り入れられています。
また、運動療法はサルコペニアの防止にも有効です。
加齢による運動機能の低下が著しい高齢者には最重要な療法といっても過言ではありません。

■作業療法

作業療法とは、日常生活を送る上で必要な機能を回復させることを目的とした療法です。
手工芸や遊び、レクリエーションなどの作業を通じて、日常生活に必要な運動機能の回復を計り、スムーズに生活を送れるようにすることを目的としています。
運動療法よりも効果は薄いですが、それでも運動不足の状態を解消でき、それでも筋肉量や筋力の改善や運動機能の回復が見込めます。

■言語療法

言語療法とは、「話す·聞く·食べること(発声発語、言語、聴覚機能、また、嚥下機能) 」の回復を目的として訓練治療する方法で、近年では口腔機能·嚥下摂食機能訓練が介護分野でも注目されています。
加齢と共に食事が減り、栄養が不足することの多い高齢者には重要な訓練のひとつです。
また、人と会話をすることによる社会参加の効果も期待されています。

■音楽療法

音楽療法では音楽を聴いたり歌ったり演奏したりすることで、脳の血流促進による脳の活性化、リラックス効果などが期待できます。
また、音楽を元に人との会話も進むことが期待されますので、社会参加の促進にも繋がります。
さらに、認知症の周辺症状の予防・改善も期待されています。

■学習療法

学習療法は認知症予防のために効果的なトレーニングです。
脳が働いている時には、たくさんの血液が脳に流れ酸素と糖が運ばれます。
脳の血流促進により、脳の機能の低下、認知症予防に繋がると言われています。

■園芸療法

園芸療法とは、植物を育てることで、歩く、座る、掘る、水をまく、草をとる、などの数多くの動作を必要とするため、身体機能の維持向上(運動療法に似た効果で、筋肉量の増加やQOLの向上など)や、認知症状の改善・予防も期待されています。
運動療法を中心に、これらの療法を組み合わせて行うことにより身体的な運動機能や認知能力の回復、そして社会参加の促進が見込まれます。
とくに高齢者は加齢とともに社会参加の割合が大きく減るので、そういった面でも大いにこれらの療法は役立つでしょう。
社会参加の減少はフレイル状態、介護状態に陥る可能性を大きく上げてしまいます。
高齢者には積極的に他人との関わりを持ってもらい、社会参加を促しましょう。
また、これらの療法と合わせてしっかりとした食事で栄養の摂取も心がけましょう。
いくらこれらの療法に取り組んでも、栄養が不足していたらまた悪循環を引き起こし、フレイル状態、介護状態に陥る可能性があります。
高齢者の栄養管理はしっかりと行っていきましょう。

まとめ

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高齢者のフレイル状態は上記した診断基準などを元にすぐに判断できます。
そして予防策となる療法を行って運動機能の向上および筋肉量の上昇や社会参加を行っていけば予防・改善が見込めます。
ですが上記療法だけに頼るのではなくしっかりとした食事を取って栄養を摂取し、規則正しい日常生活を心がけることも大切です。
特に高齢者は加齢とともに食事を面倒臭がる傾向があり、栄養不足になりがちですので、介護の現場に従事している方は、しっかりと日常生活の上で管理が必要です。
高齢者を介護状態に陥らせないために、よく観察してコミュニケーションを取り、フレイル状態を予防しましょう。

また、今後はフレイル予防だけに留まらず、介護の予防や、生活習慣病等の予防、重度化防止を一体的に取り組む必要があり、人生100年時代を見据え、健康づくりを推進することが重要だと言えるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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