今こそ研究にシミュレーションを!

計算技術を用いて研究効率をアップ。
HPCでどんなことができる?

コロナ禍を経て、医療や経済だけでなく、化学の研究・開発分野にも大きな変化がありました。在宅勤務やソーシャルディスタンス遵守のため、以前より実験研究の効率が落ちたという声も聞きます。
研究効率の最大化を図るには、これまでの「経験や知識に基づく推論に依存した実験」から「理論的な根拠に基づく実験」へのシフトが求められます。
実験のシミュレーションを手軽に始めてみたい、先行事例が知りたいという方はぜひ本記事をお読みください。

計算=第3の科学、AI=第4の科学

まずは「未来の予測」という文脈において、科学というものがどのように進化してきたか、体系的に考えてみましょう。科学が生まれる前は「未来の予測」は占い等によって行われてきました。ここに「再現可能な形で、理論的に予測する」という科学の考えが生まれます。「理論」立てて考えるというのは、第1の科学と言えるでしょう。第2の科学は「実験」です。理論に基づいて実験を構築し、実際に起こる現象を観察・分析することで科学が発展してきました。近年では理論から導かれる方程式を「数理モデル化」することで計算を可能にし、実験を行わずに再現することが可能になってきました。これが第3の科学である「計算」です。
そして現在はAIを用い、大量のデータを扱う計算も行うことが可能になったことで、従来人間が作っていた「数理モデル」では扱えなかった分野のシミュレーションも行うことが可能になってきています。天気予報や災害予測、宇宙の起源といった、大量の変数を扱うような複雑な物理現象も、予測可能になっているのです。そして、こうした第3、第4の科学の実現を支える技術が、HPC(High Performance Computing)というソリューションなのです。

研究分野別 計算技術を用いた研究の変化

HPCを用いて研究に「計算」「AI」を組み合わせることにより、研究の変革・研究効率の飛躍的な加速を生みます。
今あるウェットな「実験」を伴う研究が、HPCを用いてどう変化しているか、実例を挙げながら解説します。
なお、ここに記載のない研究分野の方でも、お気軽に問い合わせください。

自動車分野を例に見るアプリケーションの拡がり

自動車開発ひとつとっても、燃焼素反応のようなミクロな世界で起きていることのシミュレーションから、車体衝突といった目に見える世界のシミュレーションまで、様々な研究にシミュレーションが活用されています。

こうした計算技術を用いて、様々な分野の研究が発展しています。例を挙げると

●反応機構や合成法のシミュレーションをベースとして「燃焼プロセスの最適化」「浄化触媒の選定」を行う
●発光機能や発光過程のシミュレーションをベースとしてLED、有機EL、太陽電池の開発を行う
●分子特性や分子集合体のシミュレーションをベースとして電池材料、樹脂材料、金属材料の選定・最適化・開発を行う
●生体分子や生体機能のシミュレーションをベースとして創薬や、バイオ燃料の開発を行う

以下に、各研究分野においてHPCを用いた研究環境の変化について、事例を紹介します。

ナノ・バイオ分野

近年、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーの分野では、物質の性質を詳しく知るための方法として、第一原理計算という手法が使用されるようになっています。これは、電子や原子のレベルで物質を調べることができる方法で、計算機技術や計算手法の進歩によって広く使用されるようになりました。
また、実験手法の進歩によって、電子や原子のレベルでの観察も容易になり、第一原理計算と実験結果の比較が可能になりました。
さらに、材料の微細化が進んでいるため、新しい材料を開発するには、電子や原子のレベルで材料の特性を知ることが必要になってきています。
そのため、第一原理計算がよく使用されるようになっています。
この第一原理計算を行うための専用ソフトウェアをHPCに搭載し複雑で多量な計算が可能になっていることから、実験を中心とした研究を行っている方が、より計算科学を始めやすくなっています。

産業分野におけるCAE

工業用の機械の分野では、コンピュータを利用した工学支援システム(Computer Aided Engineering:CAE)を使った解析の使い方が普及しています。製造業界では、軽量化や効率化、また環境や品質保証に関する要求が高まりつつあります。それに応えるために、機械の動きをシミュレーションして音や振動、流体の性質を分析することが増加しています。HPCを用いることで、正確性の高い解析がより大きい規模でも可能になっています。

HPCとAI

AI技術の進展により、HPCを用いた計算にAIを導入し、シミュレーションを強化することでより良い結果を短時間で生み出せる分野が拡がってきています。また、ディープラーニング(DL)と、上に例示したような従来のHPCが組み合わさることによって、生命科学・ヘルスケア分野や、高エネルギー分野まで科学的発見のスピードがますます向上しています。

先行事例が多いのは化学分野

「計算化学」という言葉があるように、化学分野は現在、シミュレーションを研究に大きく活用している分野です。活用分野を大きく分類すると「量子化学計算(Quantum Mechanics:QM)」と、「分子動力学計算(Molecular Mechanics:MM)」の分野が代表例となります。
こうした分野で分子シミュレーションを行う利点としては、主に次の3つに集約されます。

予言性

実験では観測困難な分子や、未知の材料の性質がわかります。また、実験結果を理論的な根拠に基づいて解析することや、有望そうな反応条件の予想、反応や現象のメカニズムの解明に役立てることが可能です。

安全性

毒性・爆発性・環境汚染などの心配をせず研究ができます。そのため、研究室以外の場所でも研究を行うことができます。

経済性

コンピュータの中では、高価な材料を使った検証や製品破壊強度の検証も高い自由度で施行することが可能です。またコンピュータ1台あれば、例えば、赤外・ラマン・吸光・発光・NMR等のスペクトルや、分子構造・結晶構造・活性部位・反応経路など、様々な情報を得ることができます。

量子力学計算(QM)における適用例

  • ●分子の最適化構造
  • ●物性値の予測
  • ●分子の電子状態
  • ●化学反応の解析 等

分子動力学計算(MM)における適用例

  • ●分子の平衡構造と密度分布
  • ●物性値の予測
  • ●分子の動的特性
  • ●化学反応の解析

マウスでポチポチ、お絵描き感覚で計算

かつての化学シミュレーションは、入力ファイルの作成や計算結果の解析方法が難解で、計算初心者にはなかなか手が出せませんでした。しかし今は、入力ファイルをお絵描き感覚のマウス操作で作成や、計算結果をグラフィカルに表示、推奨計算条件が自動的に設定されるなど、初心者でも簡単にシミュレーションを行うことができます。
特に比較的小さい分子なら、実験にせまる精度でシミュレートすることができ、研究室以外の場所でも手軽に「実験」が可能になります。

予算に合わせた「初めてメニュー」

アズワン株式会社では、そのためのお手伝いを行うことができます。
特に、初めてシミュレーションをやってみたい、まだ何ができるかはわからないから、低予算・究極的には無料でシミュレーションの世界を体験してみたい、という方に向けて、予算に合わせたエントリーメニューを複数用意しています。
なお、本格的な導入をご検討の方はこちらよりお問い合わせください。営業対応いたします。

まずは0円から、ソフトウェアの動きを見てみたい

そんな方にはクラウドサービスをお勧めします。HPCシステムズの提供する「ChemPark」は、化学シミュレーションの基本ソフトであるGaussianや NWChem、 Reaction plus Expressといったソフトウェアを自身のPCで体験いただくことが可能です。

詳しくはこちら

まずはエントリーモデルを購入してみたい

仕様にもよりますがHPCのベーシックモデルは一般的に200万円前後かかります。アズワン株式会社とHPCシステムズ株式会社のダブルブランドモデルである「HPC-W480SAE-T-as1-chemワークステーション(※)」であれば、50万円でご用意ができ、HPCハードウェア+導入支援+量子化学計算の学習コンテンツ等各種チュートリアルがパッケージとして付属しています。後々、より複雑な計算を行う際の増設もしやすい、まさに初めての方が手に取るべきエントリーモデルとなっています。(※教育機関向け)

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まずは、量子化学計算がどういうものなのか知ってみたい

量子化学計算の基礎知識についての有料セミナー動画を提供しています。
第1章は無料です! 2章~6章セット価格で5万円(税別)となっております。

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