リアルタイムPCR Eco

リアルタイムPCR

パーソナルReal-Time PCR システムという発想

Ecoは、「全ての研究者がリアルタイムPCRを使うことができるシステム」をコンセプトに開発されたパーソナルリアルタイムPCRシステムです。新技術の導入により従来の高価で大型な装置の高いパフォーマンスを小型かつ低コストのシステムで実現いたしました。 Real-Time PCRをより積極的かつ気軽にお使いいただきたい・・・。 そんな願いから生まれたシステムがEcoTMReal Time PCR Systemです。

性能・特徴

±0.1℃の均一性とMax5.5℃/secを持つ、温調システム

短い時間(40min/ 40cycle)で再現性 (< 0.167 SD Cq) の高いデータを取得

最大4色のマルチプレックス解析が可能なハイパフォーマンスな光学システム

インターカレーター法、蛍光プローブ法のどちらにも対応可能

専用プレートでの少サンプル解析

最少反応液量5µlからの少サンプルでの解析で、ランニングコストを削減

ユーザーフレンドリーでライセンスフリーのソフトウェア

国際基準(MIQEガイドライン)準拠で、初めての方にも使いやすい設計です。

仕様

サーマルサイクラー部
温度制御方式 Single Peltier-Based system
温度範囲 25-100℃
温度上昇速度(MAX) 5.5℃/sec
温度均一性 ±0.1℃
サイクルタイム(40cycle) 40分
機器全体
サンプル数 48(48ウェル専用プレート)
サンプル容量 5-25ul(標準:20ul)
サイズ 310(W)×345(D)×320(H)mm
重量 13.6kg
電源/電圧 100V 50/60Hz / 180VA 500VA(MAX)
光学システム部
励起光源 長寿命LED
励起チャンネル数 2チャンネル(452-486nm、542-582nm)
検出器 高感度CCD
検出チャンネル数 4チャンネル(505-545nm、562-596nm、604-644nm、665-705nm)
感度 1 copy
ダイナミックレンジ 9logs linear range

テクノロジー

±0.1℃の温度均一性

PCR反応の効率や特異性は、正確な温度制御に依存します。特にサーマルブロックのウェル間の温度均一性は、正確なデータ比較を求められるリアルタイムPCRにおいて最も重要な要素の一つです。 Ecoの温度調整システムは、ウェル間の温度誤差±0.1℃の非常に優れた温度均一性を実現しています。 これにより高レベルなPCRパフォーマンス(< 0.167 SD Cq) やHigh Resolution Melt (HRM)解析のような高度なアプリケーションにも対応します。

Ecoは、シングルペルチェ方式のホローシルバーブロックを採用しています。ホローブロックには伝導性流体がシール密閉されており、対角に配置された二つのモーターで攪拌されます。 このユニークな機構(パテント)は他の方式に比べ、ウェル間の温度不均一や、ブロックのエッジ効果による温度不均一を減少させ、非常に高精度かつ再現性のあるデータを短時間で得ることができます。

Ecoの独自ブロックデザインによる、温度ランプ率は最大5.5℃/secです。 そのためPCRにかかるトータル時間が大幅に短縮されます。標準的な40サイクルのPCRプロトコルの所要時間は、40分未満です。

ハイパフォーマンスな光学システム

Ecoは、正確で高感度なオプティカル機構を採用しています。 励起側には、各ウェルごとに固定された48個の長寿命LEDアレイを採用し、ウェル間のクロストークを減少します。 蛍光側は、高感度CCDカメラと4枚の蛍光フィルターにより、最大4色のマルチプレックス解析を可能にしています。 また、サイクル毎に48ウェル全てについて4色の蛍光データを取得するため、データの採り忘れがありません。 Ecoの光学システムは出荷時に標準的な蛍光色素(FAMTM、HEXTM、ROXTM、Cy5®、SYBR®)に対して校正されています。

チャンネル 励起光(nm) 蛍光(nm) 代表的な蛍光試薬
1 452 - 486 505 - 545 DNA binding Dyes, FAM
2 542 - 582 604 - 644 ROX, Texas Red®
3 452 - 486 562 - 596 HEX, JOE, VIC
4 542 - 582 665 - 705 Cy5®, Quasar 670
試薬の使用量まで考慮した低容量設計

qPCRの試薬は非常に高価なため、できる限り少量で実験を行ないたい…。 その声にお答えするため、Ecoは384ウェルフォーマットの1/8からなる、48ウェル専用プレートを採用し、最少5µlからの解析を可能にしています。 付属のEcoローディングDockは、傾斜とバックライトにより、サンプルのアプライを容易にします。プレートアダプターはSBS規格のマイクロプレートのサイズになっているため、マイクロプレート用遠心器でスピンダウンが可能です。

ソフトウェア

ライセンスフリーな自由度の高いソフトウェア

Eco ソフトウェアはライセンスフリーのため、お持ちのパソコンに自由にインストール可能です。 そのため、操作用のパソコンと解析用のパソコンを別々にでき、快適にお使いいただけます。

MIQEガイドラインに準拠

データ解析や論文への海外誌への投稿をスムーズにするため、 Ecoのソフトウェアは国際基準(MIQEガイドライン)に準拠しています。

ユーザーフレンドリーなインターフェース

初心者でも容易に実験のセットアップが出来るよう、視覚的に分りやすいアイコンによるユーザインタフェースによって構成されています。 それぞれのアプリケーションは、アイコンの選択のみで設定が可能です。

  • 標準曲線による絶対定量
  • ΔΔCt法を用いた相対定量
  • 試薬ランニングコストの削減
  • 低アフィニティー抗体・低発現抗原に対応
  • セルベース、ビーズベースのELISAに対応

プレートレイアウトは、アッセイ(プライマーやプローブ)とサンプル(テンプレート)の選択肢を作成し、それぞれのウェルに当てはめるだけで設定が可能です。 Run終了後にプレートレイアウトの設定や変更を行なうこともできます。

温度プロファイルの設定後、Runアイコンのクリックで、サイクルがスタートします。 サイクルの進行に伴う各ウェルの蛍光シグナルの変動はMonitor Run画面 でリアルタイムにモニターすることができます。

温度プロファイルは、温度や時間、サイクル数の入力を行なうのみ、Stepの追加、削除、移動、2Step/3Stepの切り替えはドラッグとクリックのみで設定可能です。

Run終了後は自動で解析を行い、結果を表示します。 個々のウェルのCq値、定量値、相対値、平均値、標準偏差などはテーブルで表示されます。

  • 補正前データ
  • ベースライン補正データ
  • メルトカーブ
  • スタンダードカーブ、PCR効率、R2
  • ΔΔCt法による相対値の棒グラフ

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