GeoMx® Digital Spatial Profiler
組織切片サンプルを用いた
ハイプレックス空間プロファイリング
GeoMx® Digital Spatial Profiler は米国NanoString® Technologies社が開発したハイプレックス空間プロファイリングシステムです。 空間イメージングとハイプレックスプロファイリングと統合した解析を行うことができます。組織切片スライドサンプルを用い、蛍光顕微鏡画像によってユーザーが任意に指定した領域(Region of Interest: ROI)の遺伝子発現やタンパク質の定量解析が可能です。独自のターゲット検出プローブはUV分解性リンカーを介してインデックスオリゴが標識されており、自動化されたシステムによって、正確かつ高速にROIごとにインデックスオリゴが回収されます。 回収したインデックスオリゴをNanoString® Technologies社のnCounterシステム、またはIllumina社の次世代シークエンサー（NGS）システムによって検出、定量します。
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GeoMx® Digital Spatial Profiler の特徴
Any TARGET
ターゲットを検出するプローブは、特許取得のDNAバーコード技術によって、 RNA検出ではターゲット相補配列プローブに、タンパク質検出ではターゲット特異抗体にインデックスオリゴ（いわゆるバーコードオリゴ）をUV分解性リンカーを介して標識しています。
Any REGION
5種類のユニークなパターンにより自由度が高い領域選択が可能です。
Geometric=任意の大きさの円または多角形、Segmentation＝イメージング抗体での染色パターンに基づいた領域を指定、Rare Cell＝最小直径10μmからの領域で単一細胞レベルの指定、Contour＝地図の等高線のように指定位置からの等間隔領域を指定、Gridded＝グッドパターンによる領域指定。
Any SAMPLE
GeoMxは大きさや性状によらず、あらゆる組織サンプルのプロファイリングが可能です。
特にFFPEサンプルも新鮮凍結サンプル同様に解析することができます。
GeoMx® Digital Spatial Profiler のワークフロー
①：蛍光イメージング用、およびプロファイリング用プローブもしくは抗体でサンプルを染色します。
②：GeoMxにて蛍光画像を取得し、ROIを選択します。
③：選択したROIごとにUVを照射し、インデックスオリゴを遊離させます。
④：遊離したインデックスオリゴをマイクロキャピラリーで回収します。
⑤：回収したインデックスオリゴをNanoString nCounterシステムまたはIllumina NGSシステムで検出、定量します。
GeoMx® Digital Spatial Profiler のデータ解析
GeoMx DSP Data Centerはイメージデータとターゲットの定量データを統合して解析を行います。ROIと定量データは完全に紐づけされており、空間プロファイリング解析をサポートします。
GeoMx® Digital Spatial Profiler のアプリケーション
Spatial Profiling
腫瘍部、微小循環部それぞれの発現プロファイリングはそれぞれの領域を分けて解析することで初めて可能です。この例ではPD-L1が腫瘍部においても発現していることを実証しています。
Pathway Analysis
免疫反応のPathway Signaling解析の例。“Contour” ROI指定によって腫瘍境界からの距離とIFNシグナルの活性化状態を解析しています。
Biomarker Discovery
“Segmentation” ROI指定により腫瘍部、微小循環部それぞれに発現するBiomarkerのプロファイルを解析しています。これにより免疫治療の新たなターゲットの発見が期待されます。
GeoMx® Digital Spatial Profiler パネルコンテンツ
Protein解析 （nCounterリードアウト）
GeoMx DSPのnCounterリードアウトタンパク質アッセイでは、単一の組織切片スライドから、最大96個のタンパク質をプロファイリングすることができます。現在、腫瘍免疫と神経科学研究用パネル（ヒト、マウス）が用意されています。 タンパク質パネルでは18～20 plexのコアパネルと6～10 plexのモジュールを最大6個まで組み合わせて選択することができます。また、最大10個のカスタムコンテンツの追加が可能です。
Protein解析 （NGSリードアウト）
| Human Protein Core | Human Protein Module | Mouse Protein Core | Mouse Protein Module |
|---|---|---|---|
| CD45 | Immune Cell Typing | CD45 | Immune Cell Typing |
| Ki-67 | IO Drug Target | Ki-67 | IO Drug Target |
| Beta-2-microglobulin | Immune Activation Status | CD31 | Immune Activation Status |
| CD31 | Pan-Tumor | GFP | Pan-Tumor |
| 6 controls | Cell Death | 6 controls | Cell Death |
| PI3K/AKT Signaling | PI3K/AKT Signaling | ||
| MAPK Signaling | MAPK Signaling | ||
| Myeloid | Myeloid | ||
| Neural Cell Typing | Neural Cell Typing | ||
| Alzheimer’s Disease Pathology | Alzheimer’s Disease Pathology | ||
| Alzheimer’s Disease Pathology Extended | Alzheimer’s Disease Pathology Extended | ||
| Parkinson’s Disease Pathology | Parkinson’s Disease Pathology | ||
| Glial Cell Subtyping | Glial Cell Subtyping | ||
| Autophagy | Autophagy |
NGSリードアウトタンパク質アッセイは10～100個のProteinターゲットを同時に空間解析できます。GeoMxアッセイに必要なコントロール因子を含むProtein Coreパネルと最大10 ターゲットを含む各種モジュールを一緒に解析します。
RNA解析（NGSリードアウト）
GeoMx Immune Pathwaysパネルは、腫瘍および腫瘍微小環境生物学の重要な側面をプロファイルするように設計されています。
・グローバル免疫応答のプロファイル
・微小環境の免疫活性評価
・腫瘍反応性の定量化
・PD-1 / PD-L1阻害剤経路遮断の応答に関連することが知られているTumor Inflammation Signatureに関連する18 遺伝子の測定
Cancer Transcriptome Atlas (CTA)
Cancer Transcriptome Atlas（CTA）は、がん研究のために厳選されたコンテンツで、腫瘍生物学、腫瘍微小環境、および免疫応答の網羅的なプロファイリング用に設計されています。Next-generation sequencer (NGS) リードアウトによるハイプレックス解析により、単一の組織切片から任意のROIごとに1,800を超えるRNA発現をプロファイリングします。
Whole Transcriptome Atlas (WTA)
GeoMx Whole Transcriptome Atlas（Human/Mouse）は、空間生物学の包括的なプロファイリングのために設計されています。タンパク質コーディング遺伝子を完全にカバーするGeoMx WTAは、研究者にとって最も重要な生物学的領域において、任意の組織エリアの任意のターゲットについて、空間プロファイリングを提供します。
