HOME >対策は万全ですか?化学物質のリスクアセスメント
対策は万全ですか?化学物質のリスクアセスメント
化学物質のリスクアセスメントとは
化学物質やその製剤が持つ危険性・有害性を特定し、それにより労働者へ危険または健康障害を引き起こすおそれの程度を見積もり、適切なリスク低減措置を検討・実施することです。
リスクアセスメントを行うことで、現場の労働者の身の回りにあるリスクを可視化・管理することが可能になります。
近年では労働者の安全と健康を守るためリスクアセスメントが一層重要視されるようになってきており、労働安全衛生法により一定の危険性・有害性がある化学物質についてはリスクアセスメントの実施が義務付けられるなど、法的な対応も強化されています。
リスクアセスメントを行うことで、現場の労働者の身の回りにあるリスクを可視化・管理することが可能になります。
近年では労働者の安全と健康を守るためリスクアセスメントが一層重要視されるようになってきており、労働安全衛生法により一定の危険性・有害性がある化学物質についてはリスクアセスメントの実施が義務付けられるなど、法的な対応も強化されています。

化学物質リスクアセスメントの目的
化学物質のリスクアセスメントを行う目的は、化学物質による労働災害(中毒・がん・皮膚障害など)を防止するためです。
法令遵守だけでなく、労働者の健康と安全を守るため重要な取り組みです。
法令遵守だけでなく、労働者の健康と安全を守るため重要な取り組みです。

リスクアセスメントの対象と実施方法
■法改正による変更点
労働安全衛生法の改正により、リスクアセスメント対象物質が674物質から908物質に拡大されました。(2024年4月1日施行:908物質、今後順次約2,900物質が追加予定)
また、リスクアセスメントは、リスクアセスメント対象物質を取り扱う作業所ごとに実施することが義務化されました。
■対象となる事業所
業種や事業場の規模にかかわらず、リスクアセスメント対象物質を製造・取り扱うすべての事業場が対象です。製造業、建設業だけでなく、清掃業、卸売・小売業、飲食業、医療・福祉業など、さまざまな業種で化学物質を含む製品が使用されており、労働災害のリスクが存在します。
■リスクアセスメントの手順例
ステップ1:リスクの把握
まず、化学物質を使用する業務を洗い出し、SDS(安全データシート)に記載されたGHS分類などを参考にして危険性・有害性を特定します。◆ 有害性の特定(化学物質の把握)
対象物質が「リスクアセスメント対象物質(約2,800物質)」に該当するか確認
SDSに基づき、有害性情報(急性毒性、皮膚腐食性、発がん性など)を把握
◆ ばく露状況の把握
作業内容、使用量、頻度、作業時間、換気状況などを調査
実測値(作業環境測定)または推定値(モデル計算)により、ばく露濃度を見積もる
◆ リスクの見積もり
有害性の程度 × ばく露の程度 = リスクの見積もり
ステップ2:リスク低減措置の検討・実施
リスクアセスメントの結果をもとに、労働者の危険や健康障害を防止するための措置を検討します。●労働安全衛生規則や特化則などに規定された措置は、法令に基づき必ず実施しましょう。
●以下の優先順位でリスク低減措置を検討します。
1.代替
より安全な物質への置き換え
運転条件や形状の変更など
※ 危険性・有害性が不明な物質への代替は避けてください。
2.工学的・衛生工学的対策
防爆構造、安全装置の二重化、密閉設備、局所排気装置の設置など
3.管理的対策
作業手順の見直し、立入禁止の設定など
4.保護具の使用
有害性に応じたマスク、保護メガネ、手袋などの着用
検討したリスク低減措置は速やかに実施するよう努めましょう。
特に死亡や重篤な障害のリスクがある場合は、暫定的な措置を即時実施する必要があります。
実施後は、再度リスクを見積もることが望ましいです。
ステップ3:リスクアセスメント結果の周知と記録
1.周知事項●対象物の名称
●対象業務の内容
●リスクアセスメントの結果(危険性・有害性、リスクの見積もり)
●実施するリスク低減措置の内容
2.周知方法(いずれかを選択)
●作業場への常時掲示または備え付け
●書面の配布
●電子媒体による周知(PC端末など常時確認可能な機器を設置する)
3.教育との連携
法第59条第1項の「雇入れ時の教育」および第2項の「作業変更時の教育」に、上記の周知内容を含めます。
4.記録と保存
対象業務が継続している間、周知内容を記録・保存しておくことが求められます。

まとめ
化学物質のリスクアセスメントは、職場での安全確保と法令遵守の両面で欠かせない取り組みです。 危険性・有害性の把握からリスクの評価、リスク低減措置の実施までを丁寧に行うことで、労働者の健康を守り、事故やトラブルを未然に防ぐことができます。
企業としての信頼性向上にもつながるリスクアセスメントを、日々の業務の中にしっかりと根付かせていくことが求められています。
企業としての信頼性向上にもつながるリスクアセスメントを、日々の業務の中にしっかりと根付かせていくことが求められています。
リスクアセスメント関連おすすめ商品
リスクアセスメントの手順における、ステップ1(リスクの把握)、およびステップ2(リスク低減措置の検討・実施)でお役に立てる商品を集めました。